plume・room

ぷるの日常奮闘記。食べて、遊んで、眠って。泣いて、怒って、笑って。笑って。そうして、また明日に向っていくのです。

「アヒルと鴨のコインロッカー」の感想文。

 

ぷるは伊坂幸太郎さんの本が好きです。

今日はお気に入りの「アヒルと鴨のコインロッカー」のお話。

1.作家:伊坂幸太郎

千葉県出身です。ですが、作品には仙台が舞台となるものが多くあります。

これは東北大学に進んだこと、そして現在宮城県仙台に住んでいることからです。

大学卒業後は、システムエンジニアとして働いていました。

その合間に作品を書き、文学賞に応募していたとか。

2000年に「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞します。

デビュー後作家専業となり、次々に作品を発表します。

いくつか受賞歴もありますが、ここでは2つ。

・2004年 「アヒルと鴨のコインロッカー」 吉川英治文学新人賞

・2008年  「ゴールデンスランパー」   本屋大賞山本周五郎賞

2.作品について

【作風】

影響を受けた作家は島田荘司とインタビューで語っています。

多くの作品で登場人物や事件がリンクしていたり、同名でも違うキャラクターで登場したりと、

伊坂幸太郎作品のファンには堪らない仕掛けがあります。

ぷるはこの仕掛けが面白く、ついつい追いかけて何冊も何度も読んでしまいます!

伊坂さんの作品は映画やドラマ、舞台、漫画などなど、いろんな進化をしています。

原作を読んだ上でも、またちがっった角度で楽しめます。

【ぷるの好きな作品】

・重力ピエロ

グラスホッパー

・死神の精度

・終末のフール

・フィッシュストーリー

・ゴールデンスランパー

・バイバイブラックバード

・残り全部バーケーション

・アイネクライネハナトムジー

3.アヒルと鴨のコインロッカー

ぷるのお気に入りの1冊で、なんども何度も読みました。

読み終わった後にじーんと切なさが込み上げてきます。

かみさま。かみさま、どうか。そう、祈りたくなる物語です。椎名は、引っ越してきたアパートの隣に住んでいた河崎に「広辞苑を盗まないか」と誘われる。こんな奇妙な展開からスタートします。でも椎名は物語の途中参加者で、2年前の琴美とドルジからはじまっています。最後には3人の物語はひとつの終わりをむかえて、だからって何も変えることはできないんだけど。それでも、終わりをつくらなければならなかった彼の悲しみに。だから、どうか、かみさま、と。正義ってなんなのだろう、正しいことって、どういうことだろう。罰するってどんな意味があるんだろう。そう考えさせられます。どんなことがあっても人は前に進むしかなくて、だからこそ人それぞれのケリの付け方がある。読み終わった後、切なさが込み上げてくる一冊です。